営業をやる上で欠かすことのできないものが、心理学的なテクニックです。
相手に何かを紹介したり販売したりする以上、常に相手側の視点に立つことが重要です。
その上で心理学は常に相手側の視点に立っているので、営業とも非常に相性が良いといえます。
今回は、その心理学的な要素も含んだ営業テクニックの内、実際に現場で使え尚且つ使用難易度が高くないものを7つまとめたので解説します。
目次
クローズクエスチョン
クローズクエスチョンとは、お客様が常に「イエス」か「ノー」の一言で答えられるような質問をし、徐々に会話の幅を狭めていくテクニックです。
例えば、「製品はこちらでよろしかったでしょうか?」とか「お支払いはクレジットでよろしかったでしょうか?」など「イエス」か「ノー」の一言で答えられるような質問をします。
使用するメリットは3点あり、1点目はお客様が自分で選択してもらえること、2点目は営業マン主導でトークを進められること、3点目は即決での成約率を高めやすいことです。
1点目の「お客様が自分で選択してもらえること」というのは、
例えば、営業マンが質問もなしに一方的に話し続けると、お客様は「一方的」だとか「強引」だとかと思われるかもしれません。
そこで、常に「イエス」か「ノー」で答えられる簡単な質問をしていけば、お客様自身が「イエス」か「ノー」を決めることになり、お客様が自身で決定したという納得感を与えることができます。
さらに「イエス」か「ノー」で答えられる具体的かつ簡単な質問なので、お客様にストレスも与えづらいです。
2点目の「営業マン主導でトークを進められること」というのは、
営業マンが、自分の進めたい流れで商談を進められるというものです。
つまり「ずっと自分のターン状態」です。
これはトップ営業マンは無意識のうちに大体の方が行えています。
3点目の「即決での成約率を高めやすい」というのは、
クローズクエスチョン自体が、その場での「即決」をもらうためのテクニックでもあるということです。
つまり「イエス」か「ノー」で答えられる質問はゴールまでの「レール」であり、「レール」の組み立てさえしっかりしておけば、その場での成約を頂ける可能性はグッと高まるはずです。
そのため、トークや質問の構成はあらかじめしっかりと設計しておく必要があるでしょう。
ドア・イン・ザ・フェイス
「ドア・イン・ザ・フェイス」とは、本来の要求する前にあえて一度断れることを前提とした要求をすることです。
心理学的に、一度断った後はその次の提案は断りづらいということがあります。
例えば、
本来単価100万の商品を売ることが目的のケースで、
初めから100万のはなしはせず、敢えて150万の商品を提案します。
150万の商品をしっかりと提案されきった上で断ると
その次に提示された100万の商品はとてもやすく感じ、しかも一度断っている以上再度断りづらくなります。
注意点は、本来売りこみたい商品とはかけ離れた値段であったり種類の商品を提示しても効果がないので、あくまで目的は本来の商品を売り込むことであるということを忘れてはなりません。
そのため、トークや質問の構成はあらかじめしっかりと設計しておく必要があるでしょう。
フット・イン・ザ・ドア
「フット・イン・ザ・ドア」とは、「ドア・イン・ザ・フェイス」とは異なり、簡単な要求から徐々にイエスを取りつづけ、最終的にノーと言わせづらい環境を作ることによって本来売りたい商品を成約させるテクニックです。
これは一般的には「イエス取り」と言われることもあります。
例えば、本来の目的がクレジットカードをゴールドで契約してもらうことだとします。
まずクレジットカードを売ることに集中します。そこで応諾がとれると、お客様は完全に心が開いている状態なので、「ではついでにゴールドにしておきましょう」と続けます。フット・イン・ザ・ドアではこの「ついでに」というのがとても重要です。
注意点は、「最初からゴールドのクレジットカードを売りにいかない」ことです。
一気に説明しすぎるのではなく、あくまで簡単な成約を頂くことに集中し、それができたら次は希望のオプションをつけてもらったり、希望の商品を購入してもらうという流れにするということが重要です。
第三者話法
「第三者話法」とは、他人の例を用いて説明してあげる方法です。
例えば「この商品を使ってくれた他の方は、かなりいい効果が出てすごい喜んでましたよ」みたいに他人の事例を紹介してあげることによって、説得力を増させます。
商品を紹介されただけでは不安に思っていて「本当に大丈夫かな」と思われている方も少なくありませんので、そういった方に「他の方の評判や事例」を紹介するのは一定の効果があります。
飲食店だとかの“口コミ”もこの第三者話法を応用しているといえます。
ただ、口コミと違うのは実際に自分の口から伝えなければならないので、あまり調子のいいことを言いすぎると逆に疑われて成約に至らなくなってしまう可能性もあります。
さらに人によっては、「他人は関係ないよ」と思っていたり、言われてしまうケースもあるので、使用する場合は相手を選ぶ必要があります。
ローボールテクニック
ローボールテクニックとは、はじめに相手が応諾しやすい条件を提示し、徐々に相手が本来応諾しにくい条件を突き付けていくという手法です。
よくあるのが、「初回無料」、「全品半額」、「いつでも解約可能」だとかいって、お客様に関心をもたせ、実際に関心をもってきたお客様に対して、本来売り込みたい商品を売り込むといった手法です。
悪い言い方をすると、「甘い蜜を吸いに来た蜂を蜘蛛の巣でひっかける」ようなイメージです。
確かにフット・イン・ザ・ドアと似ていますが、フット・イン・ザ・ドアはまず簡単な要求を応諾させており、最初は魅力ある条件提示するだけのローボールテクニックとは明確な違いがあります。
営業マンというフィールドでも、話の最初から興味をもってもらうために「関心あるワード(例えば、料金はかかりません)」を使うことによって商談を始めることに応用可能です。
初頭効果と親近効果
初頭効果とは、人は最初に受けた印象をずっと持ち続けるという現象です。
よく第一印象が大事と言いますが、これはまさに初頭効果であり、いかに相手に対して最初に素晴らしい印象を与えられるかがとても重要です。
はじめに受けた印象を半年以上も続くと言われているので、営業マンであればなおさらファーストインプレッションに気を遣う必要性がありますよね。
親近効果とは、初頭効果とは逆で、人は最後の印象をずっと持ち続けるという現象です。
別れ際が大事と言われますが、これは親近効果のことであり、別れ際の印象=今回の商談の印象ともなるのでいかに別れ際を好印象で終えられるかが営業マンにとっては重要です。
初頭効果と親近効果の違いは、商談がかなりスムーズに終わった時は初頭効果が続き、商談に時間がかかりお客様もしぶしぶご納得いただいたような場合は親近効果が続きます。
スムーズに終われば最後の印象なんて覚えてないですし、逆に山あり谷ありの商談だったら最初の印象なんて覚えてないですからね。
二者択一法
二者択一法とは、「イエス」か「ノー」の一言で答えられるような質問をしていくクローズクエスチョンとは違い、
2つの選択肢を提示して、どちらかを答えてもらうように誘導する方法です。
例えば、営業マンが10万・5万・3万・1万の商品を持っていたとします。
単価の高い商品を購入してもらい営業マンは、「10万の商品か5万の商品」どちらにしていただくかをお客様に提案します。
お客様はついどちらかで答えてしまうという心理が働きます。
これをすることによって、「購入する前提」の商談になり、なおかつ「1万の商品と3万の商品」がお客様の選択肢から消え、より単価の高い商品を購入してもらえる可能性が高まります。
トップ営業マンは大体の方が、今ではほぼ無意識に応用しています。
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