営業をやる上で欠かすことのできないものが、心理学的なテクニックです。
相手に何かを紹介したり販売したりする以上、常に相手側の視点に立つことが重要です。
その上で心理学は常に相手側の視点に立っているので、営業とも非常に相性が良いといえます。
今回は、その心理学的な要素も含んだ営業テクニックの内、実際に現場で使え尚且つ知る人ぞ知る5つのテクニックをまとめましたので解説します。
目次
カリギュラ効果
カリギュラ効果とは、禁止されるとかえって我慢できなくなってしまう現象です。
例えば、この商品は”一部の方にしか購入できないことになっています”とか”このページはすみません、お見せできないことになっています”というように、対象の方に対して”許可できないこと”をアピールすることによって、かえってお客様自身の興味を引かすという高等テクニックです。
全ての情報を考慮したうえで、購入を検討したいというお客様にとって、このような”禁止区域”が存在することはかえって気になります。当然、その禁止区域に入って検討したいというマインドになります。
そうなれば、営業マン有利に交渉を進めていくことができるでしょう。
しかも、例えその”禁止区域”の中身が蓋を開けてみれば実はお客様の興味がないことだったとしても、お客様の関心を引き出すきっかけにはなっているので、うまく使いこなすことができれば非常に強力なテクニックの一つとなります。
ロミオとジュリエット効果
ロミオとジュリエット効果とは主に恋愛などで、一定の障害があった方が逆にその障害を乗り越えて目的を達成しようという気持ちが高まるという現象です。
カリギュラ効果と似ていますが、例えばカリギュラ効果を用いて営業マンが持っている商材の中で”禁止区域”を定めたとします。
ロミオとジュリエット効果はその”禁止区域”に関心を持ったお客様に対して、簡単にはその情報を提示せず、一定の条件だとかを設けることによってその商品や情報の価値を最高レベルまで上げ、お客様自身もなんとしてでもその商品や情報を手に入れたいという気持ちにさせるという高等テクニックです。
例えば、「先着○○名様まで」だとか「○○円以上購入の方限定」などというハードルを設ける事例がこれにあたります。
ただ、「1億人に1人当たります」といったように障害があまりにも大きすぎると初めから諦めマインドになってしまうので、障害や条件の度合いは精査しておく必要があるでしょう。
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、多くの方が選択しているものは自分も選びたくなるという人間心理を表しています。
例えば、アマゾンでのユーザーレビュー1位の商品や、毎日行列ができるお店、インフルエンサーがオススメする商品などはユーザーから選ばれやすくなります。
インターネットの口コミも同じです。多くの第三者の方がいいと思ったものは、自分も購入したくなるという心理を応用しています。
注意点は、ネガティブな情報はあまり入れない方がいいという点です。
バンドワゴン効果は他者からの評価を前提としており、低い評価などがあるとお客様が比較や長考をするようになり、最終的に選択されないというケースを招いてします可能性があります。
ザイガルニック効果
ザイガルニック効果とは、人間は完全なものよりも不完全なものに対して興味を持つという現象です。
例えば、商談で話をする時に全部ではなく意図的に不完全な説明であったり、途中までの説明にとどめることによって、最後まで聞きたいというお客様の心理を誘発する方法です。
特にしっかりしているお客様であればあるほど、中途半端な情報は頭に残り、気になってしょうがないという現象が起きます。
最近で言うと、LINEアプリで片方が”送信取り消し”などをしてメッセージを削除すると、もう片方は”なんて送っていたんだろう”と気になりますよね?そういった心理をあらわしているのがザイガルニック効果です。
アンダードッグ効果
アンダードッグ効果とは、不利な状況や弱い立場にある人などに対して、応援したくなる気持ちが働く現象です。
バンドワゴン効果とは真逆の現象で、例えば「僕、全然売れてないんですよ」という営業マンに対し、「なんかこいつ可哀そうだし買ってやるか」とお客様に思わせるような心理的なテクニックです。
新人の営業マンが「僕、新人なので」と伝えるのも似たような意味合いがありますね。
お客様からしたら商品がいいものなのかは分からないけど、この人を助けてあげたい頑張っているし応援してあげたいという気持ちで購入を決めます。
ただ、「そんなのは俺には関係ない」とか「プロに新人も売れてないことも関係ない」と一蹴される可能性があるので、伝える際はきちんとお客様を選ぶ必要があるでしょう。
カチッサー効果
カチッサー効果とは、ある働きかけに対して無条件に行動を起こしてしまうという現象です。
営業のシーンで言えば、何か理由をづけをするとその理由が正当かどうかにかかわらず、つい応諾してしまうという現象です。
例えば、「今日は晴れなので契約お願いします。」というパターンです。
「晴れなので」と「契約お願いします。」は正直関係ないですよね。(笑)
けれども、ただ「契約お願いします。」と言うよりもはるかに成約率が高いことが心理学的にも判明しています。
しかし、それは「理由になっていないよね」と反応される方もいるので注意は必要です。
ベストは、的確な理由付けのある提案をし続けるということです。
理由が的確ではなかったとしても契約につながる可能性は高いですが、可能な限り適切な理由付けを選ぶべきです。
✍カチッサー効果はこちらにも触れられています
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