営業/マネジメント

【営業力】上場企業営業部長が教える営業力が向上するコツ

「営業力を高めたい」と感じたことは営業をやっている方であれば誰しもがあると思います。

今回は、「営業力の定義から高め方まで」について解説していきます。

営業は売上を直接的に作ることができる最良の手段であり、営業がいるからこそ社員全員の給料を払うことができます。

営業は学歴や技術が無くても始めることができ、かつ誰でも年収を高めることができる数少ない職業です。そのため特に20代のうちに始めるにはもってこいの仕事といえます。

業務的には断られることが多いためメンタル面の強化は必要になりますが、継続していくことで知識と経験がつきメンタル面もある程度はカバーできるようになっていきます。

そのためには営業について深く知る必要があり、得た知識を実践で活かしていけるようになることが求められます。

では、具体的な営業の定義や高め方について解説していきます。

① 営業力の定義

1.人の頭と心を動かす力

営業力とは人の頭と心を動かす力と定義します
前提として、人は論理と感情の生き物です。
論理での落とし込みや、感情への配慮をできる限り徹底することで、一定数の人の頭と心を動かすことができるようになります。
人の頭と心を動かすことができるようになれば、営業として抜群の成績を叩き出していけることでしょう。

2.営業力=営業成績ではない

営業力とは、人の頭と心を動かす力と定義している以上、営業力=営業成績ではありません。営業成績はあくまで、営業力という大きな枠組みの中の1要素に過ぎません。
営業力の中には、恋愛や社内営業、ディスカッションなど営業成績に直接関与しない部分も含まれています。

② 営業力を向上させる目的

1.営業成績を向上させるため

一番の目的は、営業成績の向上です。営業成績が向上すれば、インセンティブが増え、周りからも称賛され、結果的に昇格まですることができます。まさに良いこと尽くしです。

営業成績が良い人は、人の頭と心を動かすことができる回数が多いのに対し、営業成績が悪い人は、人の頭と心を動かす回数が少ない傾向があります。

2.対人スキルを高めるため

対人スキルを向上させる目的もあります。
対人スキルの向上は、何かしらのコミュニティに属する全ての人や特定の異性に対し有効なアプローチを取りたいと考えている人々に大きなメリットがあるためです。

具体的には、学校や職場というコミュニティの中で周囲とうまく関係値を築いていきたいと思っている人や、口説きたいと思っている女性(もしくは男性)がいる場合などで非常に有効となります。

③ 営業力を向上させる方程式

営業力とは、人の頭と心を動かす力と定義しましたが、これはあくまで心理的な要素です。
どれだけ人の頭と心を動かす力を身につけたとしても、行動の量が少なければ動かせる相手も増えません。

そのためここで最も大事なことは、量×質=結果であるという前提です。
言い換えれば、量(アプローチ数)×質(人の頭と心を動かす力)=結果(動かされた人の数)という方程式です。

つまり営業力(人の頭と心を動かす力)を向上させるためには、アプローチ数を増やすことが重要なのです。
この方程式は非常に重要で、絶対に掛け算で成立するため、どちらかが0や1の状態であればとても危険です。必ずどちらも2以上の状態でスタートするようにしましょう。
(※0に何を掛けても0にしかならず、1に何をかけても等倍にしかならない。しかし、2以上にしていくことができれば数が動き始める)

2(アプローチ数)×2(人の頭と心を動かす力)=4(動かされた人の数)

上記のように2つの要素を同時に動かしていくことで、結果の数が倍計算的に増えていくのです。

④ 営業結果の向上方法

大きくはたったの『2つ』しかありません。
以下に記載いたします。

1.営業力(人の頭と心を動かす力)を高める

営業力とはいわゆる『質』の部分です。
営業力を高めることで、分子を増やすことができるようになります。
分子の増やし方としては、いくつかありますが、営業フェーズというテーマで説明いたします。

前提として、営業には、成約に至るまでの段階があります。

◆成約に至るまでのフロー
アプローチ(量)→シッティング(質)→プレゼンテーション(質)→クロージング(質)→成約(質)

この中で、「質」に該当する部分が営業力に関係する要素といえます。

具体的には以下でそれぞれ記載いたします。

a)シッティング力

成約に至るまでのフロー

アプローチ(量)→シッティング(質)→プレゼンテーション(質)→クロージング(質)→成約(質)

シッティング力とは、相手を席に座らせて話を聞かせる力(聞く体勢を作らせる)です。

最初に、聞く体勢を作らせないと、その後何を話してもただの立ち話になり、プレゼンも話半分にしかならない可能性が高くなります。

それゆえ、まずは相手を席に座らせ、聞く体勢を作ることが非常に大事となります。

テクニックとしては、枕詞に、以下のワードを入れてみると有効です。参考にしてください。

◆シッティングのテクニックワード
・一度しか言わないので
・絶対覚えておいてほしいのですが
・まだ聞いていなければ申し訳ないのですが
・大きな声では言えないのですが
・他の方には言わないでほしいのですが
・一言一句逃さずメモしてほしいのですが
・興味がない方は今すぐ出て行ってほしいのですが

b)プレゼンテーション力

成約に至るまでのフロー

アプローチ(量)→シッティング(質)プレゼンテーション(質)→クロージング(質)→成約(質)

プレゼンテーション力とは、聞く体勢ができている相手に、精度の高い説明をする力です。

仮に聞く体勢を作れていたとしても、営業側の説明が上手くなければ、すぐに飽きられてしまいます。

ここがうまくいかない方の問題点は大体2つです。

・複雑な説明をしている
複雑な説明をしてしまうと、聞き手が混乱し、説明が増える度に購買意欲が下がってしまいます。購買意欲を維持するためにも、なるべく分かりやすくシンプルな説明を心がけましょう。

・説明が不足している
説明が不足してしまうと、相手の理解も薄いため、断られる理由が大体「よく分からないため」に一本化されてしまいます。断られる理由が浅いと改善にも繋げづらいため、断られる理由が具体的になるようなレベルまで説明は充足させていきましょう。

説明が上手な方は、特に以下の点に特徴がありますので参考にしてください。

◆説明がうまい方の特徴
・相手の情報量に合わせて、説明量を調整している
・難しい言葉は使わない
・複雑な内容でも、シンプル化した上で説明している
・相手に合わせた例え話を入れている
・相手の表情を確認しながら、話を進めている

c)クロージング力

成約に至るまでのフロー

アプローチ(量)→シッティング(質)プレゼンテーション(質)クロージング(質)→成約(質)

クロージング力とは、相手から成約の意思決定を促す力です。

聞く体勢を作らせて、上手な説明ができたとしても、成約の意思決定を促すことができなければ【ただの上手な説明屋】で終わってしまいます。

営業でなければ、それでも充分かもしれませんが、営業では成約数を増やしていくことが必要になります。
そのため、良い説明をして終わりではなく、成約の意思決定を促す必要があります。

この点が苦手な方の特徴は以下に記載いたします。
・断られることが怖い
・YESと言ってもらえる自信がない
・意思決定を急かす形になり、相手に嫌われたくない

上記を感じている方は、根本的には以下に記載するような【営業の目的】が腹落ちできていない可能性が高いといえるでしょう。

・なんのために営業を行なっているのか
・なんのためにその商材を販売しているのか
・相手にとって本当にメリットがあるのか

目的から考え直し、なんのために営業活動を行なっているのかに1から向き合ってみると自分の気持ちも少しずつ変化してくるかもしれません。

クロージング力が高い方の特徴も以下に記載しておきますので、参考にしてください。

◆クロージング力が高い方の特徴
・成約いただく前提で、一貫して話を進めている
・自分自身が必ず契約した方が良いと心から思っている
・ネガティブなワードは使用せず、ポジティブワードに変換した上で活用をしている

2.アプローチ数を増やす

アプローチ数とはいわゆる『量』の部分です。
アプローチ数を増やすことで、分母を増やすことができるようになります。
分母の増やし方もいくつかありますので、以下に記載いたします。

まず、アプローチ数の最も良いところは、ある程度は自らの努力、意思決定次第で、いくらでも分母を増やすことができる点です。

これは非常に重要なことですが、自らの努力、意思決定だけで分母を増やすことができる要素は、営業においてはこのアプローチ数しか存在しません。

毎日100訪問(コール)、成約率5%のaさんと、毎日200訪問(コール)、成約率5%のbさんを比較すると、bさんはaさんよりも毎日2倍の結果を出し続けることができることが分かります。

そのためまずはアプローチ数は、誰にでも平等に与えられた営業としての基本権利であることを理解しましょう。

とはいえ、アプローチ数は人によって大きく差が出てきます。
ここは4つのセクションで分類することができるため、主な特徴と改善策を以下に記載いたします。

◆アプローチ数のマトリクス

・a層)真面目で効率も良い
・b層)真面目で効率が悪い
・c層)不真面目だが効率が良い
・d層)不真面目で効率も悪い

a層)真面目で効率も良い

この層は、超優秀層です。どの組織にも最大上位2割程度しかいないと想定されます。
アプローチ数は常に多いため、他の社員のモデルにさせるべき人材です。
この層の方は、アプローチ数を維持した上で質の向上に努めていくことが重要となります。

b層)真面目で効率が悪い

この層は、成長層です。新人に多い傾向があります。がむしゃらにやる力はあるが、やり方が分からず苦しむケースが多くあります。
この層の方は、マルチタスクが苦手だったりする傾向がありますが、業務歴とともに自然と効率が良くなっていきます。

c層)不真面目だが効率が良い

この層は、先輩層です。特に入社歴が一定期間あり、仕事の要領を大枠理解している層に多い傾向があります。
この層にいる社員は、一定時期を超えたb層から転化してくるケースが多くあります。
最初は真面目に働いていたが、仕事の要領を覚え、徐々にサボり癖をつけていくようなパターンです。
一度サボり癖を覚えてしまうと、そのあと癖を戻すのは相当な労力が必要になってしまいます。そのため、まずはサボり癖をつけさせないように転化のポイントを押さえておくことが重要となります。
すでにサボり癖を覚えてしまっている場合は、自分の意思決定のみで気持ちを戻すことはほぼ不可能と思って良いので、第三者に叱ってもらう、導いてもらうなどのプロセスが必要となります。

d層)不真面目で効率も悪い

この層は、腐ったリンゴ層です。
腐ったリンゴは、隣も腐らせていきます。そして周りを巻き込みながら、じわじわ腐らせていきます。
腐ったリンゴに対しては、強めの指導が必要となります。
強めの指導をしないと、周りの生産性にも影響を及ぼしてしまいます。
リーダー、管理者側としては、まずは、d層にいる社員が腐ったリンゴであることを周りにしっかり伝え、孤立させる動きが必要になります。(周りを巻き込ませない)
その上で、d層の社員をc層かb層に引き上げる動きが必要となります。(孤立させた上で個別で強めの指導を行う)
強めの指導とは、しっかりと叱ってあげることです。
叱ることができない上司は、d層を放置させて、d層が負担すべき内容を、a層b層に押し付ける傾向があります。
そうすると、真面目に頑張っているa層b層も上司に対して不信感を覚える形となり、結果として生産性が低下します。
d層の社員は改めて自分の立場を理解する、上司の立場の方はチームの中で放置をしないということが非常に重要な動きとなります。

⑤ 営業結果が向上しない人の特徴

営業結果が向上しない人の最大の特徴は、自己分析力と問題解決力の2つが弱いことです。

詳しくは、それぞれ以下に記載いたします。

a)自己分析力

自己分析力とは、自分を客観視し、現状を分析する力です。

なぜ自己分析力が必要なのかというと、例えば結果がうまくいかなかった時に、その原因を追求するために自分を客観視する必要性があるからです。

原因は、自分の思考や行動の中にしか答えがありません。自分以外のところにある原因はすべて自分ではどうしようもない解決不可の部分と言ってよいです。(天候が悪い、地域が悪い、土壌が悪い、相手が悪いなどは自分で解決ができない)

そのため、自分の思考や行動を振り返り、客観的に分析する必要があります。
分析方法として、最もズレが少ないのが【数字】です。思考や行動をできる限り数値化し、分析して振り返ることで、根本的な課題に気づくことができるようになります。

【数値化】できない部分は、【言語化】を行うことが重要になります。言語化についても、人によってズレの少ない誰にでも共通ワードになればなるほど良いです。

分析が浅ければ浅いほど、それをもとにうつ改善策も効果が出にくく、分析が深ければ深いほど課題の本質に近づくため、改善の精度も向上する可能性が高くなるのです。

b)問題解決力

問題解決力とは、分析結果によって生じた課題を解決する力です。

分析だけでは自己満足で終わってしまうので、分析結果を活かしネクストアクションを起こしていく必要があります。

営業結果が向上しない方は、このネクストアクションを疎かにしている傾向があります。
(もしくは、間違ったネクストアクションをしている)

ネクストアクションについても、回数と深さが重要になります。
起こす回数が多ければ多いほど良く、深ければ深いほど精度が高まります。

問題解決力の低い方の一例を以下に記載いたします。参考にしてください。

◆問題解決力の低い方の特徴

・同じパターンの失敗を繰り返し続ける
・質を高めることが原因の本質にも関わらず、量を高める動きをしてしまっている
・周りを頼らず、自分だけで解決しようとしている
・自らのやり方に執着している
・期限意識がない

⑥ トップセールスへの近道

トップセールスになるための最短ルートは、TTP(とにかく徹底的にパクること)を実践することです。

TTPは、簡単に見えて想像以上に難しく、完璧に追及できる人材は、組織の中でごく僅かと考えて良いでしょう。

その理由は、TTPの性質に因ります。
TTP(とにかく徹底的にパクる)を実行するためには、まずモデルを見つける必要があります。開始段階で、このモデルを間違える可能性が少なからずあり、モデルを間違えた時点で終わります。

次にモデルを見つけたとして、そのモデルの方に徹底的にパクらせてもらう必要があります。
人によっては教えてくれない人もいますし、仮に教えてくれたとしてもパクっている途中で自分のやり方が混入し徹底的なパクリにはいたらないで終わる可能性が高いです。
リアルなところで、大多数な方がここで頓挫します。

私のイメージで多いのが、トークスクリプトを80%ほどパクリ、伝え方・喋り方を50%ほどパクリ、切り返しを20%パクる程度で終わるケースです。

このケースは最もモチベーションが高い時期にトークスクリプトだけパクらせてもらい、その後は何となくで真似して終わってしまうことが多く見受けられます。

要するに詰めが甘いのです。しかし、この詰めは意外と難しく、人間の知識、経験、考え方が邪魔をして、結果的に一握りの人間しかTTPを行うことができないのです。

それゆえ、今回はトップセールスになれる素質のある人材の性格的な特徴を以下に記載いたします。参考にしてください。

◆トップセールスになれる方の特徴

・真面目で愚直
・素直で頭でっかちにならない
・成長に対しての意欲が高い
・人一倍負けず嫌い

逆にトップセールスになれない人材の特徴も以下に記載いたします。
参考にしてください。

◆トップセールスになれない方の特徴

・不真面目で楽をしたい思いが強い
・頭でっかちで言い訳が多い
・成長に対しての意欲がない
・勝ち負けに執着がない

⑦ 営業力を高める方法

営業力を向上させる最大の秘訣は、インプットの機会を創出することです。

具体的なインプットの創出方法の選択肢は以下に記載します。

a.本を買って読む

 

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c.ブログを読む

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⑧ まとめ

営業力とは、人の頭と心を動かす力のことです。
営業力を高める目的は2つで、営業成績を向上させることと、対人スキルを高めるためです。
営業成績を高めるためには、営業成績=量(アプローチ数)×質(人の頭と心を動かす力)の方程式を理解し、量と質を両軸で高めていく必要があります。
営業成績が低い方は、自己分析力と課題解決力が不足している傾向があるため、2つの力を意識的につけていく必要があります。
トップセールスになるためには、TTP(とにかく徹底的にパクる)を行う必要があり、TTPを行うことができればモデルと全く同じ動きをすることになるため、結果的かつ網羅的に営業力を高めることに繋がるのです。

営業未経験の方、営業に従事しているが伸び悩んでいる方、営業が向いていないと思ってしまっている方、リーダーや管理者で営業の人材指導や育成に携わっている方に向けて、今回の情報がポジティブな材料になればと思います。

ABOUT ME
青雉
1988#japan 大学時代に半年間バックパッカーを経験。大学卒業後、新卒で少数精鋭の中小企業に就職。社員数は全国でわずか40名弱ながら、所属営業マン全員が年収1000万円を超えるエリート集団の中でひたすら揉まれる。 人間としての生活は許されず、過酷な日々を耐え抜くも1年半で退職。その後、社員数1000名のベンチャー企業に転職。前職の過酷な営業経験が活かされ、入社初月で「新人王」、半年で役職に就く。2年後には管理職になり、現在は役員を目指し今日も勉強中!

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