「説明力を高めたい」と感じたことは仕事をやっている方であれば誰しもがあると思います。
今回は、「説明力の定義から高め方まで」について解説していきます。
説明は社内のコミュニケーションだけではなく、商談や進捗報告などあらゆるケースで必要となります。
たかが説明するだけでも注意しなければいけない点は実は多く、意外と奥が深いスキルとなっています。
説明力をつけていくためには、説明の定義や目的からきちんと知る必要があり、得た知識を実践で活かしていけるようになることが求められます。
では、具体的な説明力について解説していきます。
目次
① 説明力の定義
誰にでも分かる言葉で分かりやすく伝える力
説明力とは、誰にでも分かる言葉で分かりやすく伝える力と定義します。
【誰にでも分かる言葉】とは、具体的には共通言語化と共通数値化の2つを指します。
例えば、英語を知らない人に英語で話すことは、共通言語化できているとは言えません。
また、根拠を知りたい相手に対し、感想で伝えることも共通数値化できているとは言えません。
相手に伝わる『共通の言葉』と自分の感想ではない『数値的根拠』の組み合わせによって、【誰にでも分かる言葉】となります。
分かりやすく伝えるとは
【分かりやすく伝える】とは、具体的には伝えるスピード、テンポ、声量、順番、情報量などが最適な状態であることを指します。
例えば、スピードが早口であったりすると、せっかく誰にでも分かる言葉で説明をしていたとしても、何を言っているのか分からなかったり、聞き手側が置いてけぼりになってしまう可能性が高そうですよね。
それゆえ、誰にでも分かる言葉だけではなく、分かりやすく伝えるという要素も必要になります。
② 説明力を向上させる目的
時間の短縮のため
説明力を向上させる目的は、時間の短縮です。
説明力が高ければ高いほど、1つ1つの説明に対する時間は短くなり、説明力が低ければ低いほど1つ1つの説明に対する時間が長くなります。
また説明力が高ければ、事前準備にかける時間も短くすることができます。
しかし、説明に対する時間が長くなると、自分の時間も相手の時間も奪うことになるため、かなりの時間的損失を発生させてしまうことになります。
説明力を向上させることで、自分だけではなく相手の時間を創出することにも繋がると覚えておきましょう。
③ 営業会議で説明すべき内容
説明力とは、誰にでも分かる言葉で分かりやすく伝える力と定義し、高める目的は時間短縮とお伝えしました。
では、具体的にビジネスにおいて説明力が必要になるようなケースを解説いたします。
経営会議のケース
例えば経営会議(実績報告)です。
管理者クラスの社員が月次や週次で報告をするケースが多いかと思いますが、所属する会社によっては1番嫌いもしくは苦手な仕事としてあげる方が多いかもしれません。
しかし、こちらも説明力がある方であれば難なく切り抜けます。
では具体的にどのように切り抜けているのか解説いたします。
結論から申し上げると事前準備が鍵となっており、準備段階でやることは大きく2つです。
a)資料作成
事前に数字をまとめておくことが重要となります。作業自体は無駄に思えるかもしれませんが、数字を並べていると色々な観点から数字を見ることができ、さまざまなことに気付けるようになります。
資料作成中に疑問だと思ったことは、作成中に解消しておくことで数字に関する自身の理解度も深まり、結果説得力のある説明をすることができるようになるでしょう。
さらに資料作成の過程で気づいた問題点などは現場におろすこともできるため、単に上司への報告のためだけではなく、現場レベルの原因分析と改善の観点からも役に立つのです。
b)カンペ作成
報告の状況によっては、資料作成だけでは不十分なケースがあります。
報告の量が少なかったり重要度の低いケースであれば要点のみ押さえあとはアドリブで対応することも可能だとは思いますが、重要度が高かったり報告の量が多かったりするケースではカンペ作りが必要になってきます。
事前にカンペを作っておくことで細かい言い回しを事前に決めておくことができ、かつ報告をスムーズに行うことで質問への回答だけに集中できるようになります。
緊張してうまく喋ることができない、答えられないという方は、事前準備の段階でカンペまで用意しておくことをおすすめします。
ちなみにカンペは定例の報告会であれば、一度作ったものをテンプレに何度でも流用できるため最初こそは時間が掛かりますが、以降は短時間で作成できるようになります。
④ 営業会議資料のまとめ方手順
鉄則は【数字を並べること】
営業会議資料のまとめ方手順の鉄則は、まずは『数字を並べる』ことです。
数字は細かければ細かいほど良いですが、数字を並べていると様々な発見をすることができるようになります。
感覚で仕事をしたいタイプの方は、数字を並べること自体に嫌悪感を覚え、「めんどくさい」「意味がない」「時間の無駄」と思うかもしれません。
ですが、自分で数字を並べてみることでさまざまな仮説を想起できるようになります。結果として今の戦略より売上も利益も高まる戦略にアップグレードできるようになります。
具体的なパターン
例えば、A業務に5人、B業務に10人の人員を割いていたパターン。
実はA業務を3人にして、B業務を12人する方が生産的であったことに気づけたらどうでしょうか。
人員の配置転換を行い生産性向上させる戦略に気づくことができれば、報告を受ける側も「前に進んでいる」「ちゃんと改善できそう」という印象が増し、場に納得感が生まれるようになります。
数字を並べることがどうしても難しい場合は、周りでできる人にお願いするという選択肢もありだと思いますが、できる限り自分で並べてみることをオススメします。
課題を見つける
数字で並べたあとは、数字の中で異常に低い値となっている部分に色付けを行います。
その色付け部分が、課題となります。
課題はできる限り書き出します。課題が被っていた場合は、1つにまとめてしまいます。
課題があまりに多すぎる場合は、課題の中で影響金額が大きいものを優先的に残します。
課題は通常3つ、多くても5つが適正と言えるでしょう。
要因を分析する
課題のリストアップが終われば、次は課題の要因分析です。それぞれの課題の要因を1言で記載しておきましょう。記載されている課題の要因が本質に近ければ、近いほど良いです。(この部分は非常に重要です)
改善策を考える
課題の要因が判明したら、最後にその要因に対する改善策を記載します。
例えば、Aさん5件、Bさん7件、Cさん10件の結果が出ていたとします。
モデルは1人7件なので、今回は課題はAさんだけになります。ではなぜAさんは生産性が低かったのか。
ここの「なぜ」の部分が課題の要因となります。
例えば、トークスクリプト通りに話していなかったからなどが答えになりそうです。
この場合、対応する改善としては今週中にトークスクリプトのテストを行う、などになります。
改善策には期限も入れておくことで取り組みにかける本気度を伝えることができます。(実際、期限がないと実行せず終わってしまう可能性も高いです)
正しいサイクル
このように営業報告の資料には、数字→課題→要因→改善策の順で4つの要素が組み込んであることが基本です。
業務的に行うのではなく、本気で改善したいと思う気持ちを持って準備を進めていくと、内容で指摘されることが減っていき、かつ実際に結果を改善されていくのでオススメです。
⑤ 営業会議が苦手な人の特徴
多くの要因は準備不足
営業会議が苦手な人の最大の特徴は、準備不足です。
緊張感がある場が苦手、数字での報告が苦手、詰められるかもしれない雰囲気が嫌だ、などの色々な苦手意識があるかと思いますが、それらも含め集約していくと要因は準備不足の一言に尽きます。
準備不足の要因
準備不足が発生する最大の要因は、やり方が分からないからです。
準備に時間がかかってしまって終わらない、他のことで手が回らない、なども要因として上がって来そうですが、それらを含めても準備不足発生の最大の要因は、「やり方が分からないから」に集約できると考えています。
逆に言えば、「やり方が分かっていれば」自分の好きな時間に効率的に、しかも前向きに取り組めると思います。
全てのことは、「やり方が分かっていれば」解決できることが多く、やり方が分からないからこそ解決できないと思い込んでしまうことが多いのです。
営業会議が苦手な人は準備不足が要因なので人より多く準備に時間をかけるようにしようということではなく、準備不足の更なる要因はやり方が分からないためなので、「やり方を学ぶようにしよう」ということが本章でお伝えしたかったことになります。
やり方は3章4章で記載している通りとなるので、ぜひ何度も読み返していただければスキルアップのお役立ちになるかと思います。
⑥ 説明力を向上させる秘訣
説明力を向上させる最大の秘訣は、インプットの機会を創出することです。
具体的なインプットの創出方法の選択肢は以下に記載します。
a.本を買って読む
本当にこの1冊は読んでほしい 相手に伝わるかどうかは、話の「組み立て方」が9割!「結論ファースト」ではうまくいかない理由。込み入ったことを説明するために必要なこととは?提案・交渉をスムーズに進めるためには?現場での実践と科学的な学術知見から生まれた80の型で誰でも説明上手になれる! |
4つのステップで誰でも思考を整理できる! 本書の思考整理術を「自分の頭のモヤモヤを解消したい」人や、お客様や部下、友人、家族の相談に乗って感謝され、より良い関係性を育みたいビジネスパーソンの皆さんにお届け!年間報酬3000万円超えを15年以上続けてきたコンサルタントが、成功の原動力となった「思考整理術」をすべて教えます。 |
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b.YouTubeなどで動画を見る
c.ブログを読む(※説明力向上系はまだあまり作れていません)
『だから売れない!』結果が出ない営業マンにありがちな特徴8選!
営業やるならこれを見ろ!誰も教えてくれない人間の心理10選!【人心掌握術】
⑦ まとめ
説明力とは、「誰にでも分かる言葉で分かりやすく伝える力」と定義しました。
説明力を高める最大の目的は、時間の短縮です。
説明力を高めることで、説明する時間や準備にかける時間を減らすことができるようになるのです。
具体的に説明力が必要になる営業報告会に焦点を当てた場合、会議を成功させる秘訣は、資料作成とカンペ作成の2つでした。
資料作成においては、数字を並べることから始めることが最も重要であるとお伝えしました。
数字、課題、要因、解決策、カンペ作成、この順で進めていけば、正しい報告ができ、かつ質問だけに集中して答えられるようになるのです。
説明が苦手な人の特徴は、準備不足であり、準備不足の最大の理由は「やり方が分からないから」と結論付けました。
そのため、「やり方を学ぶ」ことが営業会議や普段の説明でのクオリティを上げ、自分の時間を増やす最大の秘訣となるのです。
上司への説明が苦手な方、営業会議での数字での報告が苦手な方、資料作成が苦手な方に向けて、今回の情報がポジティブな材料になればと思います。